HGSに効果的な雑音対策とは?
第2の要因は、オーディオシステムの非定常特性や非線形特性です。通常、定常・線形システムとして扱われていますが、厳密には、音楽信号を再生することにより、信号の強弱の変化に伴って電子機器のエネルギー源:バイアス電源の電圧変動を引き起こしてしまいます。よく言われるように、強力な電源が良い音を作ることは確かだと思います。この原因は、電源回路に潜む内部抵抗の影響で、大きな音の時には出力端子からスピーカや次段の機器に送られる信号の電圧が大きくなるとともに、それに応じて大きな電流が流れます。この電流がバイアス電圧を揺らしてしまいます。
通常、増幅回路の動作点は直流バイアスの電圧で決められますが、その電圧が変動することにより、再生信号に応じて動作点が変動し、増幅率が変動してしまいます。通常、こうした変動は0.1%にも満たないので問題ないとされ、その通りですが、HGSにとっては結構致命的な影響を与えてきます。詳細は、本論の方でお話ししますが、この増幅率の非定常性のおかげで、可聴域のみでなく超音波領域の(本来聞こえないはずの)雑音が、周波数変調の影響を受けて可聴域に忍び込んできてしまいます。となると、超音波領域の雑音対策も必要となります。
また、よく知られるようにアンプなどをつなぐ電源にはコンピュータやそれ以外の電子機器が接続され、特に、ディジタル機器が発するパルス雑音の影響が大きくなってきています。パルスには非常に高い周波数まで含まれますので要注意です。雑音除去システムや電源回路で対策するといっても、通常-60dB の減衰が確保できれば良いところでしょう。多くても-100dB。しかし、1kHz から100kHz の帯域幅で考えると、-100dBであっても帯域でのエネルギーでは-40dBまで増加し、雑音成分は大きくなります。
KRYNA では、こうした超音波領域の雑音まで視野に入れた雑音吸収アイテムとして Helca,Helca2 などを提供しています。電源コードやインターコネクトケーブル、特にディジタルケーブルに使うことで、高い周波数領域での広帯域雑音の抑制に効果があり、HGS再生には欠かせないアイテムとなっています。本編2章で詳しく説明いたします。最後に、第3の要因として基準点の動揺です。スピーカでは、マグネットを基準としてユニットの振動板が電気信号を音波に変換しますが、マグネットが揺らいでいるとユニットの振動板の振動が電気信号に忠実ではなくなります。つまり、忠実でない分が雑音となります。そういう意味で、基準点の安定化は重要で、インシュレータの役割が大きくなります。しかしそれだけではありません。アンプなどの電子機器、スピーカも含めて、電気信号の基準点が揺らがないことが必要です。
なぜなら、電気信号は、基準電位(通常アース電位)をもとに伝送されますので、送り出し側と受け取り側で別々に基準点が揺らいでいるとその揺らぎが雑音として加わってしまうからです。雑音は、大きさのみでなく位相にも大きく影響しますので、音像のボケと定位の不安定さを引き起こす要因となってしまいます。と言っても、非常に小さな雑音で、HGSを目指さなければ無視できる程度と言えるでしょう。これまで述べた振動対策と超音波領域まで含めた雑音対策を行った後、最後に有効となるのがこの基準電位(アース電位)の安定化です。
この電気的基準点を安定させるアイテムとしては、近年、仮想アースとか種々の名前で種々市場に出回っており、なぜ効果があるかはわからないまま使われているのが現状です。μV未満の微小変動ですが、HGSの効果を引き出すには不可欠な最終兵器と言えます。本編3章では、この仮想アースが何をしているかを解明した結果を報告いたします。
きっと納得いただけることでしょう。
KRYNAでは、独自の解析により、HGSに効果的な材料の組み合わせを見つけ出し、定位の改善、音の伸びなど時間特性の改善(背景雑音の低減)、帯域の拡張などに効果を示すモディファイを提供しています。
これまで、「メーカーが言っているから」、「販売店が進めるから」とか「ネットで評判がいいから」など確かな根拠なしに購入してきたオーディオアクセサリー、時に、「なんで効果があるのかな?」と不思議に思い、「オカルト的」と言って敬遠するなど、いろいろな反応があったかと思います。確かに、アクセサリーにより音響再生の状況は劇的に変化します。いくら良いシステムを手に入れても、振動、超音波領域の雑音、信号の基準安定化は、別途実施する必要があるわけです。しかし、やってみて「よかった」、「だめだった」では同じことの繰り返しになります。何故良いのか、何故だめなのかを論理的に整理し、何が起こるのかをきちんと解明することが必要です。
KRYNA では、これまで解明されていなかったこれらの効果のメカニズムを科学的立場から解明し、説明することで
HGSを安心して楽しんで頂けるよう製品開発並びにサポートサービスを行っています。
もう、オカルトとは言わせません。HGSで豊かな音響を楽しみましょう。
