KRYNAの「HGSコンサルティング」では、お客様のシステムを最大限に鳴らすための効果的な使い方、セッティングを実演いたします。
実際にどのようなことをするのか?過去の事例をご紹介します。
システム構成
スピーカー:YAMAHA NS-1000M
CDプレーヤー:DENON DP-S1
D/Aコンバーター:DENON DA-S1
プリアンプ:自作のアッテネーター式ボリューム
パワーアンプ:Aurex SC-Λ99
お悩みポイント
・スピーカーから音が離れず、音像定位が曖昧
・解像力が低く、まとまってしまう
・奥行き・高さが広がらず、詰まった感じになっている
変更ポイント
- スピーカー設置位置の調整
- スピーカー下のインシュレーター交換
- スピーカースタンドの交換
- CDプレーヤーにインシュレーター設置
- 部屋の響きの調整
目次
セッティング変更を終えて
最初の状態ではスピーカーから音が離れず、高さの出ない、平面的な音場のシステムでしたが、一つずつ変更していくにつれて、全く別物と言えるほどの「HGS:ホログラフィックサウンド」へと変わっていきました。
スピーカーのセッティング ➡ CDプレーヤーの足回り ➡ ルームチューニング
の順に調整を進めましたが、1~2ヶ所調整するだけでも見違える程音楽が活き活きと鳴ってきます。
特に、広がりの無いまとまった音は、高音から低音までが混ざり合ってしまい、それぞれの楽器の音が抜けてこないため、詰まったような感じになってしまいます。
そんな時には、アッテネーターやスーパーツイーターで高音の抜けをサポートしたくなる気持ちをぐっとこらえて(逆に自然に軽く抜ける音を判断しづらくなってしまいます)、システムのセッティングをもう一度見直してみましょう。
変更ポイントの詳細説明
- スピーカー設置位置の調整
まずは、お金のかからない所から調整していきましょう。
スピーカーを置く向きの調整です。
元のセッティングではスピーカーがほぼ正面を向いていましたが、 通常の広さの部屋ではスピーカーをやや内振りにして、左右のスピーカーの音軸で三角形を作る事が基本です。
今回は、左右のスピーカーを少しずつ内側に振り、正三角形に近いセッティングに変更してみました。
スピーカーの向きを変えるだけで、左右に散らばってしまっていた音が、中央にきちんと定位するようになりました。 - スピーカー下のインシュレーター交換
続いて、中央に集まった音場空間の高さを上げるために、スピーカーのベース周りを改善していきます。
まずは、スピーカー下のインシュレーターからです。
元々使っていたのは、ブチルゴムや絹などを重ねて積層構造にしたインシュレーターとの事。
振動を伝えないゴム系のインシュレーターは、スピーカーの音を詰まらせてしまう原因になってしまいます。
インシュレーターを「D-PROPextend」に入れ替えた所、とたんに音が軽くなり、活き活きと音が出るようになりました。
音の抜けが良くなり高域も伸びやかになったため、スーパーツイーターは必要無くなってしまいました。 - スピーカースタンドの交換
スピーカーの置き台として、硬い仕上げの木材を使用されていました。
木製のスタンドの場合は、音を詰まらせてしまう事は少ないですが、振動を吸収する能力が低く、スピーカーキャビネットと一緒に振動してしまいます。
その結果、解像度が下がり、音場空間が不明瞭でもやもやとした音になっていました。
スピーカースタンド「Stage」と「D-PROPextend」の組み合わせに入れ替えました。
左側だけ変えて聴いてみると、明らかに音の広がり方の違いが分かります。
スピーカーの振動がスタンドで適切に処理される様になったことで、 定位が明瞭になり、音場空間の高さが表現できるようになりました。
スピーカーの足元が安定するので、音の抜けも良くなります。 - CDプレーヤーにインシュレーター設置
スピーカーの次は、音楽信号の入り口であるCDプレーヤーのインシュレーターを見直します。
CDプレーヤーもスピーカーと同じゴム系のインシュレーターでした。
スピーカーと比べると発生するエネルギーは少ないですが、CDプレーヤーにも電源部や回転部などへの振動対策が重要です。不要振動をきちんと処理する事で、情報量が増え、特に音場空間の高さが出てきます。 - 部屋の響きの調整
最後に、部屋の響きを調整するルームチューニング材を導入します。
部屋の響きは、オーディオの音を構成する要素の中でも、非常に大きな割合を占めています。
全く同じ機器を使っていても、鳴らす部屋が違えば全然違う音になってしまうのです。
『お店で鳴っているのと同じ機材を買ったのに、自宅で聴いてみたら同じような音にならない』
という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「Azteca」と「Watayuki」は、どちらも約20×20cmと小型の製品ではありますが、しっかりとポイントを抑えれば、大きな効果を得る事が可能です。
・Aztecaを左右に1個ずつ
・Watayukiを左右に1個ずつ
計4個を取り付けただけで、音場が上の方に広がるのがわかりました。