東京都のN様からトールボーイ型スピーカーへのT-PROP導入レポートをいただきました。
KRYNAのスパイクと受け皿一体型の「T-PROP」を、このほどスピーカーのフットに導入したので、
そのレポートをお送りします。
現在使用中のスピーカーシステムは、FOSTEXのトールボーイ型G-1302です。
スパイクと受け皿が付属していましたが、リビングに設置しており、これを装着すると
取り扱いしずらくなるためにずっと使わないできました。
フローリングは予想以上に柔らかくて、わずかに位置をずらして調整しただけでも傷がつくことと、
スパイクが受けから外れるとフローリングに当たって結構な穴があき、加えて地震の際には
バランスが崩れて転倒する危険もあるためです。
スピーカー直置きによる音のデメリットはわかっていたものの、薄い金属製のボードを敷いて、
スピーカーはその上に直置きで使っていました。
「T-PROP」はスパイクから受け皿が外れてバランスを崩す心配がなく、地震の際の転倒を減らせます。
受け皿の直径も付属品よりも大きめなので、多少ずらしても、床への傷は「T-PROP」の方が
つきにくいと言えそうです。
取りつけは至って簡単でした。
4点支持なので微妙な高さ調整がいるのではないかと思っていましたが、
実際にセットしてみると根元まで目一杯ねじ込んだ状態で、ほぼ均等に支持されていました。
それで、装着前と後で、再生音はどう変わったのか――。最も気になるところですね。
まず最初に聴くと、間接音やニュアンスがよく出てきて、奥行きや音場感が豊かになりました。
いろいろな楽器のつながりが良いというか、左右チャンネル間が有機的に満たされる感触です。
マリンバの曲を聴くと、いままでは音そのものの勢いが強く届く感覚でしたが、
録音の現場にある空間性や、その場で感じられる微妙なニュアンスという部分が
よく聴こえるようになりました。
極低音域の入ったソースやアタックには、やや大人しくなった印象がありますが、
直置きでは振動が底面から直接伝わって、床面での増幅や膨らみがあったのでしょう。
ズシーンとしたような重々しい感じは減りつつも、音の通りが良くなるとともに、
こちらの方が自然な低音だと感じられます。
ティンパニは、刺激を弱めつつも研ぎ澄まされた感覚があり、響きや残響も豊か。
またオーケストラの弱音から強奏への変化では、
近隣への音漏れが気になって慌ててボリュームを絞る度合いが以前よりも減りました。
ヴォーカルも直置きでは膨らんでいた部分が抑えられてスッキリとし、音離れが向上し、
マスクされていた細かな情報が出てきたということがポイントだと思います。
一対一で戻しての比較はしていませんが、
これまで聴いてきた音との違いは、別のソースを聴く度に感じられています。
なるほど、本当はこうだったんだね。いままではデフォルメされた音を聴いていたのだ
と気づかされました。
なお、G-1302を駆動するアンプは“マイ柱上トランス”で知られる出水電器ALLIONブランドの
特注プリメインアンプで、こちらはシャーシ底面をD-PROPの3点支持で使用しています。
ケーブル差し替え時など、ラックからの出し入れには手間がかかるのですが、
一度填めた音を聴くと外せないですね。
もともと駆動力が相当に高くて切れの良さもありますが、
一音一音がより洗練された音でニュアンス豊かに聴けるようになります。
最後に、
T-PROPを取りつけた状態のG-1302の外観は、
結構恰好良くしっくりとまとまっており、違和感は全くありません。
「これが、もともと本機の純正のフットです」というような堂々たる感じもありますね。
ちなみに、FOSTEXのG-1302のフットに合うのは、T-PROPのTP-4M6(M6サイズ4個入)を2個です。
¥15,400(税込)×2で、これだけ表現力アップを図れるのは、
ぜひ導入すべき、というのが正直な感想です。
もっと早く導入すべきでしたね。
皆さんも、お使いのスピーカーに合うT-PROPがあるならば、ぜひ交換を薦めたいと思います。
東京都品川区 マンション在住 K・N