オーディオインシュレータの不思議①-4

形状による効果の違い

ご存じのように、市場にはいろいろな材質で、いろいろな形状のインシュレータが出回っています。
それでは、これらの違いはどこにあるのでしょうか?

①-1 での説明を思い出してください。
インシュレータの中を振動が伝達されることが分かりました。

まず、材料(材質)の違いは、その内部を通る振動の伝搬速度に影響します。
通常、軽くて硬い材料は速度が大きくなります。
この速度は、材料固有の音にも関係します。
当然材料にはそれぞれ固有の音(叩くとその音が出る)がありますので、その対策も必要です。
ここでは、インシュレータの形状に注目しましょう。

大別すると、床と上に載せた機器との間で

① 断面積がほぼ一定 もしくは 上下対称
② 断面積が変化する

に分けられます。

①-1 で示した振動伝達の立場から、波動方程式を解くと
①の場合、断面積の大小で、振動の伝達しやすさが変わるものの
全周波数帯にわたって床からも機器側からも伝達率は一定となり
インシュレータとしての効果がどこにあるか分からない状況になります。

ただし、前述のように、材料固有の音は何らかの形で乗ってくるでしょうから
特にスピーカなどでは、音に変化が感じられることでしょう。

図1に円柱と円錐の振動伝達特性の比較を示します。

図1 円柱と円錐の特性比較


円柱と比べ、円錐では破線で示されるように、底面から頂点への振動伝達特性で
ある特定の周波数(Fs)より高い周波数でインピーダンスが低くなり、振動を伝達し易くなっています。

②の場合は、高さと断面積の変化率が振動伝搬の周波数特性に影響し、底面の面積が振動伝達のしやすさに影響してきます。

KRYNAでは、こうした解析結果を基に、使い易い一体型のT-Prop
二段構成で効果をグンと高めたD-Prop、高分子材料を用いたC-Prop
大型ながらさらに効果が高いE-Prop など
用途に応じて理論的に設計したインシュレータを提供しております。

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